深海3マイル

海の浅瀬で遊んでいる

根源的恐怖の悪魔

人はどのような時に恐怖を感じるのだろうか。例えば、生命の危機に陥った時、人は誰であっても恐怖するだろう。あるいは、自分にとって何か大切なもの/人が消失しかねない場合についても同様であろう。それは、自分にとって失いたくない、大切なものが失われるということに対して恐怖しているのでは無いかと思う。

 

では、それ以外の場合ではどうだろう。人は、なぜ恐怖という感情を覚えるのだろう。

 

 

 

ここまで前置き

 

 

 

 

さて、先日大阪に遊びに行った際、筆者は飛田新地へと足を運ぶ機会を得た。あまりにも暇を持て余したが故の行為ではあったのだが、当然飛田新地という場所がどのような場所なのか、ということは把握している。把握した上で行くことにした。ただしそこで遊ぶつもりはなく、怒鳴られない程度にぐるっと回って冷やかし、帰ろうかな、程度の心づもりだった。

 

一応、飛田新地という場所を知らない人のために説明をしておくと、巨大な遊郭である。風俗街と言い換えてもいい。

 

本番行為を含む(というかいきなり本番らしい)サービスを提供する店が、ざっと見ただけで50以上。全ての店を確認した訳では無いが、曰く複数ある通りによってある程度店のレベルが決められており、高いところだと15分10000円以上するのだとか。

気になる人は各自で調べて見てほしい。かなりの歴史を持っており、そういう意味では面白い。(ぶっちゃけこんなところで下の話をつらつらつらつらと書きたくはない)

 

そんな訳で飛田新地へと向かった。御堂筋線 動物園前駅を降車し、そこから10分程度歩く。

道筋に商店街があったのだが、向かったのが夜ということもあって、あちらこちらにある居酒屋カラオケ(というのが正しいのか?)から楽しそうな声が聞こえてきており、到着前から非日常感を味わうことになった。居酒屋だけなら馴染みもあるしそんな気分にはならないのだが、やはりカラオケ要素が大きいのだろうか。商店街の雰囲気も相まり、さながら10年前にタイムスリップしたかのような感覚だった。

 

そんな商店街を歩いていると、唐突にそれっぽい店の並ぶ通りが見え、すぐ近くには立派な建物と「飛田新地料理組合」という看板があった。

なるほどここが、と納得した。しかし店が現れるのが本当に唐突すぎてびっくりした。

 

今回の目的地に着いたこともあって、少しテンションが上がっていた。遊ぶつもりは無かったとはいえ、男という生き物は須く性欲に忠実な生き物である。かわいい女の子がいたら、ちょっと遊んでから帰るか、などと到着した当初は思っていた。

 

しかし入ってから1分で、そんな気持ちは跡形もなく消え去ってしまった。

 

とにかく圧倒的である。まず店の数がすごい。それだけで初飛田新地の身からすれば気圧される。その上、店の前を通ると客引きのおばちゃんがウワッと声をかけてくる。何なら奥の女の子が声をかけてくることもある。しかもタチの悪いことに、一度入ってしまうと抜け出すまで延々と客引きの声をかけられることになる。(最も、この人達からすればそれが商売なので、そこに文句をつけるのはお門違いというものだろう)

最初はおぉ、すごいな、これが飛田新地かと呑気にしていたが、段々客引きの声が怖くなり、最後の方は逃げるように駅へと去っていってしまった。因みに滞在時間はたったの5分。我ながらハートが弱すぎである。

 

 

という訳で、興味本位で飛田新地に行ってみたら予想を超える恐怖に出会った、という話。

初めから遊ぶつもりで行っていれば少しは気持ちの持ちようも違ったのかもしれないが、少なくとも冷やかしとしてはもう二度と行くまいと誓った。SAN値の削れる音が聞こえた気がする。

 

P.S.女の子はめっちゃかわいかった。自分が何通りを歩いていたのかは全く分からないが、多分青春通りだったのでは無いか?と思う。これより上がいるならマジですごい。